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慢性非細菌性前立腺炎(陰茎痛)の鍼灸治療症例(40代)

非細菌性の慢性前立腺炎は慢性骨盤痛症候とも言われ、会陰部痛、陰茎痛などの下半身の痛みがあり、中々他人にも相談しにくい症状で、潜在的に悩んでいる患者さんが多いと思われます。

実は前立腺の病気というよりは、骨盤底筋のトリガーポイントが関連痛を引き起こしている場合も多く、その場合鍼灸治療がうまく適応します。

7月下旬に都内から来院した40代のHさん。

「昨年(H20年)秋頃より頻尿になり、3月上旬 尿道に痛みを感じ、泌尿器科を受診しました。
その時、尿道炎を疑われたのですが、尿検査で菌が出ず、何も処方されませんでした。

その後、尿道の痛みが続くので、5月上旬に、違う泌尿器科で、かなり徹底した尿検査をした所、ここでも菌が出ませんでした。
この頃より下半身全体に痛みが広がり、会社で座ってデスクワークをしている時や就寝時に
・陰茎(尿道)の痛み
・会陰部の痛み
・左の睾丸の痛み
が出ます。

5月21日に、前とは違う泌尿器科で排尿障害と診断され、ハルナールを処方されます。

ハルナールと、水を飲む量を抑えた事で、激しい痛みは少なくなりましたが、射精をすると、陰茎の痛みが激しくなります。
ここ二週間は、射精をしておりませんので、激しい痛みはありませんが、下腹部の違和感と鈍痛、尿道の違和感があります。

最近では、7月2日に泌尿器を受診しましたが、ここでは前立腺の腫れは認められたものの、前立腺マッサージの後の尿検査で菌が出ず、非細菌性慢性前立腺炎と診断されました。

高血圧と糖尿病を患っているため、7月よりスポーツクラブに入り、体重を落とすべく運動しておりますが、
下腹部の鈍痛は一進一退という感じです。

座っているとき、朝起きた時が症状が強いです。
股間の痛みに連動しているかの様に、右足の親指が痛みます。」

Hさんのお仕事はは主にデスクワークです。
オマケに、症状の出る少しくらい前から、ダイエットの為に自転車を始めて、休みの土日はほぼ一日中自転車に乗っていたそうです。

この事からも慢性非細菌性前立腺炎と診断されている病態が、実は骨盤底筋群のトリガーポイントが原因ではないか・・・・・・
と推測できます。

会陰部の痛みや不快感、陰茎痛、臀部痛、坐骨神経痛のような下肢痛は骨盤底筋のトリガーポイントからくる関連痛と呼ばれる代表的な症状です。

Hさんの場合、頻尿や若干の排尿障害があるようですが、これらは骨盤底筋を支配する陰部神経を介しての自律神経の混乱、イタズラの様な症状と思われます。

また、女性の場合も同じように長時間のデスクワークや自転車のエクササイズ等で、骨盤底筋を傷め、活動性のトリガーポイントとなった場合、
同じように会陰部痛、下腹部痛、性交時の痛み、頻尿、尿意切迫、恥骨痛、臀部痛、坐骨神経痛などの症状が出てくることがあります。

この場合は女性ですから、慢性前立腺炎とは言われないで、過活動膀胱,間質性膀胱炎,の病名が付けられているようです。

さて、Hさんはウチに来院するまでに、別の鍼灸院で8回ほど治療したがあまり改善しなかった、ということなので、そこでの治療をお聞きしましたところ、

「一時間ほどかけて、太股、ふくらはぎ、腰に鍼を打っていただきました。
施術は、足への鍼がほとんどでした。下半身の血行を良くするのが目的だったそうです。効果に時間がかかるかも、というのは理解しており、頻尿については改善した気がしましたが、陰茎痛、尿道痛については改善がなく、むしろ、施術された日は痛みが激しくなった事もあり、途方にくれておりましたところ、戸塚鍼灸院さんのブログに、陰茎痛の治療が載ってましたので、ご連絡しました。」

という事でした。

軽い場合は、骨盤底筋から離れた手足の遠隔のツボを使ってもある程度の効果を出すことは可能なのですが、この場合は的確に骨盤底筋のトリガーポイイントを鍼で処置した方が効果的でした。

当院での骨盤底筋のトリガーポイントを中心とした最初の治療で、陰茎痛、会陰部痛は半分以下に軽減、だいぶ気にならなくなり、座ったときに少し気になるくらいになる。

2回目の後も更に軽減しています。忘れていることも多く、トイレに行くのが怖くなくなったそうです。
(若干残尿感の症状が気になっているそうです。現在継続治療中。)

以下H21/11/12追記

途中インフルエンザ感染で3週間空きましたが、ほぼ一週間に一回の治療約15回で、ほぼ症状なくなっています。

NIH 慢性前立腺炎スコア
来院時
痛み・不快感の項目 17点
排尿症状 9点
QOL 11点
合計37点

11/7時点
痛み・不快感の項目 3点
排尿症状 3点
QOL 1点
合計7点

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横浜市戸塚鍼灸院

 

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コメント

49歳男性です。
ペニスの痛みがとれません。
去年の11月下旬にペニスの先端あたりに違和感を感じ、泌尿器科で診てもらっ
たら、検尿異常なしでした。
その後しばらく様子をみたのですが、いっこうに痛みがとれません。

今度は、CTをとってみたのですが、尿道結石でもないし、やはり異常なしで
した。
計6回泌尿器科に行き6回検尿とりましたが全て異常なしでした。
でも発症から半年経った現在も断続的にペニスが痛いです。ロキソニンを飲ん
でもあまり効きません。

漢方の竜胆しゃ肝湯を2ケ月のんでいますが、最初の1ケ月半は痛みはやわら
いだのですが、最近また痛みがひどくなっています。

まとめますと、
①11月半ばより陰茎痛が発症
②泌尿器科で検尿するも異常なし(6回検査とも異常なし)
③CTの結果、尿道結石等どこも異常なし
④半年たった今も、ペニスの痛み(特に先端)と睾丸あたりの鈍痛が断続的に続く
⑤排便やおならをする間際まで痛み、出し切ると痛まなくなる
です。

現在いっこうに痛みがおさまらず、非常に苦しんでいます。

ここで骨盤底筋のトリガーポイントが原因で起こりうることが載っていました。

もし解決方法がありましたら是非とも対処法等、教授下さいませ。


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