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外側大腿皮神経絞扼性障害(異常感覚性大腿痛)

大腿の前面から外側にかけてビリビリと痛んだり、シビレや知覚低下が起こります。
コルセットや、きついガードル、ベルトや自動車のシートベルトなどにより鼠径部の下を通る外側大腿皮神経(L2L3)が圧迫を受け傷害された時に起こります。また、肥満、妊娠により骨盤周囲の筋肉の緊張が強くなることで障害されることもあります。
鼠径ヘルニアの手術や股関節の手術後に一時的な神経の圧迫により障害されることもあります。

多くは姿勢や動作によってによって症状に変化が見られます。

うつ伏せ時は軽く圧迫され伸展位となるので痛みが増強する傾向があります。
仰臥位で軽く膝を曲げて股関節屈曲位だと症状は軽減します。

起立や歩行時、股関節の伸展は、神経が牽引気味になりますから痛みが増します。

反対に深く屈曲した場合はマチマチで、強く圧迫されて痛みが出たり、筋肉の硬結、トリガーがあると短縮痛が出る場合もあります

(腫瘍などによる症候性のものは,肢位や姿勢には関連しないことも多い。

また腎臓下垂、腎臓結石の投影である場合もまれにあります。)
外側大腿皮神経絞扼性障害は異常感覚性大腿痛(Bernhardt-Roth症候群)とも呼ばれます。
神経痛と呼ばれているケースもあるようですが、神経痛というよりは最近は絞扼性神経障害 (Entrapment Neuropathy)の方に分類されるみたいですね。
もちろん鍼灸治療の適応症です。

感覚異常としては放電したような感覚、痛みを伴う蟻走感、強烈な焼け付くような痛み、、服がこすれるのが苦痛になる等があります。

下はグレイ解剖学より
Gaisokudaitaihisinnkei4

神経が正常に走行すれば上前腸骨棘の内側2センチ以内でそけい靱帯と縫工筋起始の間を通過し大腿遠位側へ鋭角に屈曲するが。この神経の走行と支配領域には,下の図のようにかなりの個体差があります。
障害部ではチネル徴候という叩打による症状の誘発が前上腸骨棘に近い鼠径部でみられることが多い。
 
Daitaigaisokuhisinnkei3

下はトリガーポイントマニュアルからの図です。
縫工筋を外側大腿皮神経が貫通している図です。
最も関連の深い縫工筋の上部のTpは貫通部よりはやや下の方に現れるようですが、これも縫工筋の筋緊張を増加させるし、縫工筋の筋膜の一部がそけい靱帯に付着しているので、その下の外側大腿皮神経を圧迫する可能性は充分にあります。

縫工筋のTpからの関連痛と大腿外側皮神経の絞扼症状が同時に現れることもあり得ることです。

Houkoukinnjyoubu

解剖知識
外側大腿皮神経は,第2腰髄,第3腰髄(あるいは第1腰髄成分を含む)から起こり,腰部神経叢から腸腰筋の外側を通り,骨盤内の腸骨筋の前方を通過し,骨盤腔から大腿外側に向かう.その際,急に走行を変え,上前腸骨棘に近い鼠径部で鼠径靭帯の深部を通過する.この部分は鼠径靭帯と筋膜で固定されており,絞扼を受けやすい。知覚神経繊維のみで運動神経繊維は含まない。

一般的にはそけい部周囲の絞扼が問題になりますが、この箇所以外にも

脊柱の近くの大腰筋の筋腹中で腰神経からの分枝が結合して大腿皮神経を形成する部位

腹腔内で圧力によって神経が骨盤に再び押しつけられる部位

で絞扼の問題を起こすことがあります。

さて、外側大腿皮神経の支配域に痛みを生じる、トリガーポイントによる紛らわしい筋膜痛、関連痛が有ります。

実際は外側大腿皮神経絞扼性障害よりもこれらの筋肉が原因による痛みが多いと思います。

下は中間広筋のトリガーポイント
Tyuukannkoukinn

下は外側広筋のトリガーポイント
Gaisokukoukinn

下は大腿筋膜張筋のトリガーポイント
Kinnmakutyoukinn

下は小殿筋のトリガーポイント
Syoudennkinn

横浜市戸塚鍼灸院

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