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胸郭出口症候群(TOS)

胸郭出口と呼ばれる領域で、前斜角筋、中斜角筋等の筋肉や鎖骨、第一肋骨などによって、腕神経叢と鎖骨下動脈、鎖骨下静脈が圧迫・絞扼、或いは牽引されて、神経症状や血行障害を引き起こす事が原因です。

以前は斜角筋症候群、頸肋症候群。肋鎖症候群。過外転症候群と呼ばれていた疾患が1956年頃に共通の病因をを持つ疾患として統一されたのが胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome)です。

圧倒的に多いのは神経因性TOSの方で、主に腕神経叢が傷害され起こり、血管因性TOSは5%程度だと近年では言われています。

女性では20~30代のなで肩の人に多く、男性の場合は中高年で、怒り肩で首の短い人に多く見られます。

胸郭出口症候群の症状は実に多才です。
頸椎症と合併して起こる場合も多いので、しばしば見過ごされたりされている場合も少なくありません。
また交通事故の後遺症として斜角筋が損傷されて胸郭出口症候群が発症するという例も意外と多いと言うことが分かってきています。

中々治らない、治療効果が思わしくない肩コリや肩甲間部痛、腕の諸症状の原因がこの胸郭出口症候群であった、という場合もかなりのケースで考えられます。

一般的症状
首の痛み、肩や腕の痛み、しびれ、脱力感、冷感、背中や肩甲骨周囲、肩甲間部の痛み、頭痛、肩凝りなど。

上肢の症状が無くて、肩こりや肩甲間部痛が主症状の場合もあります。

洗濯物を干すのがつらい、つり革に捕まるのがつらい、車の運転時にジンジンする、物をよく落とす、買い物袋を下げていると腕がズーンとしてくる。

さらに、腕神経叢は周囲の自律神経系と密に複雑に繋がっていますので
慢性的になっていると自律神経症状を訴える場合もあります。
微熱、倦怠感、吐き気、頭痛、不眠、めまい、集中力低下、目の奥の痛み、目のかすみ、耳鳴り、発汗異常など(いわゆるバレーリュー症候群)

Kyoukakudeguti

障害されやすい部位は斜角筋部、肋鎖間隙、小胸筋部の主に三カ所。
いわば第一関門、第二関門、第三関門といったところですが
三カ所が絡み合って原因になっている場合も多くあります。

斜角筋部

前斜角筋と中斜角筋で作られる斜角筋間隙を腕神経叢、鎖骨下動脈が通ります。
この部分の筋の緊張・癒着・絞扼等によって腕神経層などが刺激されて起こります。
症状は上肢全体、拇指・示指・中指にかけてのしびれや疼痛、側頸部痛、頸の後屈障害、肩甲間部痛など。

肋鎖間隙
第一肋骨と鎖骨の間で腕神経叢、鎖骨下動脈、鎖骨下静脈が圧迫などの刺激を受けて起こります。
主に上肢の尺側に症状が出やすいとされています。
鎖骨下静脈の圧迫も加われば上肢の浮腫を伴う場合もあります。

上肢を上げた時や、背臥位で寝ているときに症状が出る場合は、この肋鎖間隙で障害を受けている可能性が高いと考えられます。

小胸筋部(過外転症候群、小胸筋症候群)
小胸筋と肋骨間の間隙を通る腕神経叢と鎖骨下動静脈が圧迫されることによって起こります。
鎖肋症候と同じで夜間から早朝におこりやすいといわれています。

つり革につかまるような姿勢をとると腕がしびれる。
手を頭の下に組み長時間仰向きで寝ていたりするとシビレ感,、感覚異常冷感を感じる。

胸郭出口症候群の診断テスト

血管因性のテストは実際は信頼性が少ないので省略。

Roosの3分間挙上負荷テスト(最も信頼性が高い)

肩関節90度外転、肘90度屈曲、前腕回内の姿勢で、3分間手指をゆっくりグーパーさせて症状が誘発されるかどうかを診る。腕神経荘の圧迫を診る検査とされえているが牽引の要素も否定できない。

上肢下方牽引テスト

患者の手関節あたりを保持して上肢をを下方に牽引することで肩甲骨や上肢に症状が再現するかどうかを診る。
このときに検者が斜角筋三角部で腕神経叢を触知しながら行うと、牽引することで腕神経叢が強く緊張することが指先で」確認できる。
牽引型は一般的にはなで肩タイプに多く診られるが絶対ではなく、TOSの75%は圧迫・牽引の両方の障害を持っている。

横浜市戸塚鍼灸院

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