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回外筋

肘の痛み(外側上顆の痛み)が回外筋のtrpsの関連痛であるという場合もしばしばあります。
回外筋のTpsはしばしば外側上顆に痛みを放散します。
拇指の基底部と手背の組織膜にもしばしば関連痛が放散され、前腕後面に痛みが起こることもあります。

手の母指の動作には通常支障がない場合が多く、
手の中指の伸筋は回外筋のTPSに最も巻き込まれる筋肉の1つである。
(抵抗を制して中指を伸展させたときに痛みを感じる場合がある)
手首と指の伸筋が二次的に活性のTpsを形成している場合には強く握りしめる握手で痛みを伴うことがある。

下2枚はtrマニュアルより
Kaigaikinn

回外筋に負担がかかるのは、思いがけない回内の動きに抵抗する時、または極度に激しい回外運動をする時です。

特に肘を伸ばしたままで極度に勢いの強い手の回外を繰り返す事(バックハンドのテニス肘)、またはその状態を保つことは症状を引き起こす原因となることがある。

前腕が回内状態にあるときに強く肘を曲げたり、重い物を持ったりすることは、上腕二頭筋の助けがないために回外筋を傷める可能性がある。

回外筋を傷める状況としては
固いドアの取っ手を回す、
洗濯物を絞る、
細かい部分のアイロンがけ、
手首だけを動かして固い瓶の蓋を開ける、
大きな犬をヒモで引いて散歩させる、
黒板上の文字や線を消す動作、手で壁を洗う、
熊手で葉をかき集める動作など。

回外筋は平坦な筋肉で近位部は2つの層に分かれている。
上部では尺骨の背側、上腕骨の外側上顆、橈尺関節の側面および前面の靱帯、腕尺関節の間接包の前部に付着している(起始)
遠位部では筋繊維はY字状になって上腕二頭筋の腱のすぐ下で橈骨の橈側表面(橈骨上端3分の一の橈側面)円回内筋付着部の上方に付着(停止)している

Y字状態の前腕の2本の裸の骨の間に於いて、筋肉の近位の部分は浅層と深層に分けられている。
遠位部では回外筋は分かれていない。

回外筋は主として腕神経叢の後神経束を経由する脊髄神経の第6頚神経に支配されるが部分的には第5頚神経の支配を受ける。つまり橈骨神経深枝の支配である。

橈骨神経の深枝は回外筋の浅層に形成されたアーチ、Frohseのアーケードの下を通り浅層と深層の間に入る。
橈骨神経の深枝がFronhseのアーケードまたは回外筋の筋腹の中に入るときに圧迫絞扼が起こる場合がある。
これを橈骨管症候群とか回外筋症候群とか呼ばれる場合があります。
支配筋に麻痺が起こった場合は後骨間神経麻痺です。

橈骨神経深枝の圧迫絞扼は運動筋の筋力低下を引き起こします。
回外筋が巻き込まれると痛みと圧迫・絞扼の両方が起こる可能性があるが通常は痛みだけが起こります。

Kaigaikinn2

検査 
手掌を回外させ肘を少し曲げ腕橈骨筋を横へ移動させ前肘部の遠位部における橈骨頭と橈骨体に対して圧力を加え回外筋を触診する。

回外筋のTPSが最も頻繁に起こりやすいのは回外筋の浅層が橈骨の腹側(前側)に付着する部位で、それは上腕二頭筋腱のちょうど外側面とそれより少し遠位部に付着している部位の近位である。

鍼灸のツボでいうと肺経の尺沢のやや下方外方になります。

下は南江堂 解剖カラーアトラス
Kaigaikinn3

17回外筋 4上腕二頭筋 16円回内筋

Kaigaikinn4

腕橈骨筋は肘をわずかに曲げることによって弛緩するので外側に押して移動しておく。
手は最大限に回外状態にしておく。そうしないとTPSを簡単に見逃してしまうことになる。
この状態では回外筋のTPSは橈骨の上に直接また上腕二頭筋の腱と腕橈骨筋の間の皮膚の直下に存在する状態になる。
この2つの筋の標示は、抵抗に対して前腕を曲げるように患者に頼むことで充分に識別できる。

もっと深層にあるもう一つの回外筋のTPは筋の付着する前腕の外側部を圧迫する事によって多分発見される。
それは尺骨が接する関節包の外側の部位である。
このTPは手の諸伸筋の塊、特に長い尺側手根伸筋を通して、外側上顆より4.5センチ、遠位部、そして橈骨頭の1.2センチ下方でその部位には圧痛がある。
この第2のTPは橈骨神経深枝の圧迫絞扼と関連を持つ傾向にある。
橈骨神経深枝の圧迫絞扼は運動筋の筋力低下を引き起こす。
回外筋が巻き込まれると痛みと圧迫・絞扼の両方が起こる可能性があるが通常は痛みだけが起こる。

関連TPS

関連TPS
上腕三頭筋、上腕三頭筋の内側頭の外側縁のTP、総指伸筋、長短橈側手根伸筋および腕橈骨筋、肘筋にもしばしばTPが見られる。

回外に関与する筋
上腕二頭筋  筋皮神経
回外筋 橈骨神経(C5、6)

回内に関与する筋
円回内筋  正中神経(C6~C7)
方形回内筋 正中神経の枝の前骨間神経(C8、T1)

横浜市戸塚鍼灸院
参考文献 Trpマニュアル

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