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太ももの痛み(大腿神経絞扼障害)の症例

85才、女性、数年前から脊柱管狭窄症と診断され足のシビレ有り。
1週間前に親戚に連れ回され長時間歩行した後、その翌日くらいから右太ももに焼け付くような、ビリビリした、電気が走るような、激しい痛みを訴える。

数日前に整形で電気かけてもらったら、余計痛くなったそうです。

患者さんの痛みを訴える部位は
大腿前面からやや内側部。
ほぼ大腿神経の内側皮枝、中間皮枝の部位。

股関節が硬い、ということで足裏を合わせて開いてもらうと右側は相当開きが悪い。
鼠径部の圧痛を左右比べると右鼠径部は割と広い範囲で強い圧痛有り。

前上腸骨棘寄りよりも大腿動脈の外側の大腿神経の部位に圧痛が強い。
(内側から大腿静脈、大腿動脈、大腿神経の順に走っている)
押さえると大腿部に痛みが走る。
大腿動脈の内側にも圧痛あるが動脈の外側ほど強くはない。

「太ももに焼け付くような、ビリビリした、電気が走るような、激しい痛みを訴える。」
というと異常感覚性大腿痛(外側大腿皮神経の障害)を考えるが、
外側大腿皮神経の障害だと、鼠径部の圧痛は、もっと前上腸骨棘に近い側に出て
痛みを訴える部位も大腿外側になる。

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腹臥位になるとしばらくすると、大腿部に痛みが走る。
腹臥位では股関節がやや伸展位になり、大腿神経がやや牽引される。
(特に大腿神経伸展テストをするまでもなく陽性ということ。)

大腿神経はL2~L4の前肢から起こる。
下部胸椎、上部腰椎も右側の緊張が強い。
L2、3、4も右側の緊張が強いが、それほど強い圧痛ではない。(根性の大腿神経痛ではなさそう)
足の脾経も右側の圧痛が顕著。

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上の写真でグリーンのマークは前上腸骨棘。
赤は特に顕著な圧痛点。

鼠径部を注意して触診しておかないと、腰椎からくる根性の大腿神経痛と勘違いしたかもしれません。
整形外科や鍼灸院でも意外とこのあたりを充分触診しない場合が多いので見過ごされ易いようです。

右股関節が硬く、当然右鼠径部も普段から緊張が強い所へ、長時間歩いたために鼠径部の負担が増加して炎症のようになり、この部位を通る大腿神経障害を引き起こしたようです。
痛みのメカニズムは異常感覚性大腿痛(外側大腿皮神経絞扼障害)とほぼ同じでしょう。

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3回くらいの治療でこの件の症状はほぼなくなりました。

似たような例としては、子宮筋腫の手術をした女性、股関節障害のある人に膝の方にピリットした痛みを訴える例が何例か有りました。
やはり患側の鼠径部に異常な緊張と圧痛が見られます。
同様に大腿神経、そして枝の伏在神経の問題と思われます。

横浜市戸塚鍼灸院

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コメント

膝裏の痛みは大腿神経の領域ではありませんので、筋肉の痛みか坐骨神経関連だと思います。
ご近所の鍼灸院で相談して下さい。
(コメント欄での個別の病気相談はおこなっておりません)

左足の膝の裏側の筋肉が左足の関節を曲げると、痛む
ちょっと、曲げるだけで、激しい痛み、足を延.ばしていれば、痛まない

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