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荘子・坐忘問答

20年ほど前に、中国人気功師の張宇先生に、外丹功という気功の合宿の時に書いていただいた色紙には

「堕肢体,黜聡明」

書かれています。
意味について、通訳のO先生は、確か
「体を弛めてリラックスさせて、知恵や分別を捨てる、というような意味で、練功の要領ですよ」
とおっしゃっていたかと思います。

Cimg0369


先日、たまたま荘子の本を読んでいたら、なんと全く同じ文面が出てきました。
オオっと、これが原典だ~~!!!
日本語の翻訳だけだと気がつかなかったのでしょうが、この本は原文の一部が載っていたので気がついたのでした。

出典は荘子内篇、大宋師篇の中、孔子と顔回のいわゆる坐忘問答の部分でした。

颜回曰:“堕肢体,黜聡明,离形去知,同于大通,此谓坐忘。

(読み下し)
顔回曰く「肢体を堕とし、聡明を黜け、形を離れ、知を去り、大通に同ず、これを坐忘という」

「自分の体や手足を忘れ去り、目や耳の働きを無くし、形のある肉体を離れ、心の知を捨て去りあらゆる差別を越えた大道に同化すること、これが坐忘です。」
(森三樹三郎 老子・荘子 講談社学術文庫)

堕の元の漢字は墮(JISコード5458・15画)
漢字の原義は「落ちる・こわす」の意味があるようです。

(「堕肢体」の部分が日本語にはない使い方だし、インパクトが有ってずっと気になっていたのでした。)

黜(JISコード7359・17画) しりぞける 音読み チュツ
しりぞける、へこませるの意味。

ちなみに、続く孔子の部分は
「道と一体になれば、もはや好悪の差別の心はなくなるし、変化のままに従うならば、特定のものだけを追い求める心もなくなる。お前は、やはりたいした人間であった。私もお前の教えを乞わねばなるまい」(森三樹三郎 老子・荘子 講談社学術文庫)

荘子の中でも気功と最も関係の深い部分です。
なんとなく気になっていた文面が荘子の一節とわかり、謎が解けたような、モヤモヤがすっきりした感じです。

色紙に「坐忘」  と書かれるより、

「堕肢体,黜聡明」  のほうがずっと意味深で良い感じです。
意味深すぎて意味が分かりませんけど。

すらすら~~とこういうのを書けるのは、日頃から熟読・愛読しているからでしょうか・・・・
張宇先生ってやっぱり教養も有るのかな・・・・・・・・

ちなみに、現・裏千家16代家元の千 宗室(せん そうしつ、1956年 - )氏の斎号は坐忘斎 だそうです。

横浜市戸塚鍼灸院

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