« C.P.E.バッハ  (バッハの息子たち2) | トップページ | J.C.バッハ  (バッハの息子達3) »

間質性膀胱炎

実は、間質性膀胱炎の明確な合意を得た診断基準はありません。
実際に泌尿器科の医療現場でも非常に混乱が見られます。

「間質性膀胱炎診療ガイドライン」では
「膀胱の非特異的な慢性炎症を伴い、頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状を
呈する疾患」とされていて

「頻尿、排尿痛・残尿感(ムズムズ感)・膀胱痛(下腹部痛)」
が一般的な症状ですが個人差があります。
症状の強さは一定ではなく、よくなったり悪くなったり変動を繰り返すことも特徴です。

細菌性膀胱炎に似ていますが、原因は細菌の感染ではなく 、抗生物質の治療は効果がありません。

間質性膀胱炎は粘膜と筋肉の間の間質という部分がが原因不明の炎症を起こして伸びが 悪くなる病気です。従って膀胱容量は縮小しますので、尿がた まって膀胱が充満してきたときのほうが下腹部痛は強く、排尿 とともに軽減するという特徴があります。
ですから間質性膀胱炎の患者さんは痛みが強くなる前にトイレに行こうとする傾向があります。
また飲食物の影響(辛いもの等の刺激物や柑橘類)や尿が濃い場合にも増悪することもあります。

研究用の厳密な診断としては、膀胱鏡検査にて、
「ハンナー潰瘍という特徴的な所見あるいは膀胱拡張時の特徴的な点状出血を認めた」場合、間質性膀胱炎の診断が確実となります。

ただし、検査できる医療機関が限られていたり、患者の負担も配慮して、実際の医療現場では、間質性膀胱炎を「症状で診断する」傾向が普通です。

間質性膀胱炎国際専門家会議では、

「頻尿・尿意切迫感があり、明らかな原因疾患がなければ、膀胱痛があってもなくても間質性膀胱炎と診断してよい」という結論になったそうです。

通常は、頻尿・尿意切迫感があり、膀胱に尿が充満した時に膀胱部痛がでれば、間質性膀胱炎と診断するのでしょうが、実際に症状が頻尿のみで、「痛みがない間質性膀胱炎」の患者さんも割と多くいらっしゃるようです。

また「ある程度の量(400cc)くらい膀胱に貯められるので、間質性膀胱炎では無い」と言われたが、膀胱鏡で検査したら間質性膀胱炎だった、という例も多いようです。

(・「膀胱鏡で潰瘍を確認または膀胱容量が低下した症例でも、29%には痛みがなかった」(Messing)
・「痛みのある間質性膀胱炎において尿意切迫感または頻尿が痛みに先行していた例が67%もあった。」)

症状から診断することは実際は難しく、確定診断のコンセンサスが無いために、過活動膀胱とか神経因性膀胱とかの診断が付けられているケースも多く見られます。

頻尿・尿意切迫感という症状から一番近いのは過活動膀胱で、この病名がつけられている場合が一番多いようです。
(ただし、過活動膀胱では効果がある抗コリン剤も、間質性膀胱炎では効果がありません。)

・尿を我慢した場合、
過活動膀胱の場合は尿が漏れそうになりますが、間質性膀胱炎の場合は漏れより不快感や痛みが出てきます。(あくまでも一般論)

実際に当院に来院した患者さんでも、間質性膀胱炎と診断された方が神経因性膀胱だったり、過活動膀胱と診断された方が神経因性膀胱だったり、或いは間質性膀胱炎では・・・?と思われるケースが見られました。

また、間質性膀胱炎は女性が圧倒的に多い病気ではありますが、男性で慢性前立腺炎と診断されている場合でも、実は間質性膀胱炎だった、というケースも実際には見られるようです。

こういう言い方をすると語弊が有るかもしれませんが、頻尿や尿意切迫、膀胱痛などの症状に関しては、泌尿器科の先生方の診断も鵜呑みにはできない・・・・・ということになります。

ただ医療機関の場合も、「診断的治療」という意味で、とりあえず過活動膀胱のお薬を出してみて、変化がないようだったら様子を見て診断を変える、という場合が実際は多いと思います。

診断が難しい病気ですから我々鍼灸の臨床家も、医療機関で付けられた病名を鵜呑みにしないで、注意深くこれらを鑑別・スクリーニングすることが大切になってきます。

« C.P.E.バッハ  (バッハの息子たち2) | トップページ | J.C.バッハ  (バッハの息子達3) »

a3間質性膀胱炎」カテゴリの記事

コメント

今回のSさん、Iさんのお二人の治療は大変勉強になります。
新しく間質性膀胱炎のカテゴリーを作りましたので、よろしければきりの良いところで経過報告の記事を出させて欲しいですm(_ _)m
特にIさんは経過を詳細に記録されているので貴重です。

はい、そうです。
いつも読ませていただいてますwink

コメントありがとうございました。
もしかしてS.Mさん?

認知度の低い間質性膀胱炎をこうしてブログに取り上げてくださって
ありがとうございます。
この病気が広く世間に知れ渡り、誤診がなくなることは
我々患者の切なる願いでもあります。

今回のブログ記事、大変心強く感じました。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« C.P.E.バッハ  (バッハの息子たち2) | トップページ | J.C.バッハ  (バッハの息子達3) »