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間質性膀胱炎 症例  41才女性

間質性膀胱炎による頻尿、膀胱痛、骨盤痛、尿意亢進、たまに尿意切迫感などがある。

既往症

バセドウ病 アレルギー(15年くらい。スギ花粉)、クインケ浮腫 子宮筋腫
子供の頃から原因不明の蕁麻疹が出る事がある。
疲れがやストレスが酷く溜まるとクインケ浮腫がたまにある。
(蕁麻疹の一種で瞼が腫れ上がり殴られたようになり、一度だけ胃腸にもできたようで酷い下痢を併発した事もある。)
胃下垂。
酷い生理痛は若い頃あったが、35歳超えてからはあまり酷くなく、産後はまったくない。

過去の膀胱炎は、病院に行ったのは20代の頃に2~3回だと思うが、30代になってからは通院せずが年に一度くらい。
頻尿に関しては、ここ5~6年、生理前にあった。たまに夜起きるときもあったくらいで、後はすべて産後。

血圧  上が100下が60位

嗜好品
以前はコーヒー紅茶甘いものをよく取っていたが、間質にはよくないとの事で、今は飲むならカフェインカットの物を薄めて一日一杯を限度にしている。
甘いものは、無添加バニラアイスや無添加プリンを食べる事があるが2日に一度くらい。
乳製品も牛乳以外は間質によくないので、牛乳はよく飲むがたまにチーズを食べるくらい。

昨年の6月に出産後悪化し、8月位からかなり症状が出てきた。
10月位から更に悪化。(夜間排尿量が増加した。夜間はだいたい500位出る。)
症状が辛い時はふくらはぎから下に違和感というか、だるさやムクミがある事が多い。
常に尿意があり膀胱刺激感と恥骨の痛み。

ただ、出産で骨盤底筋断裂し、軽度子宮脱があるが、以前検査では膀胱を圧迫するほどではないと言われている。
自分では支えきれず痛みがあると思い込む。
歩くたび刺激があり、尿意が増す。
これは尿失禁手術でよくなると説明を受ける。

11月下旬、更に更に悪化。
一回排尿量30~80。30分に一度トイレ。
常に尿意と残尿感。骨盤内の痛みもあるが出産のせいだと思い込む。
通院中のK病院でおしっこは綺麗だし残尿もないので心因性頻尿と言われる。

12月TVT手術(恥骨尿道靭帯を補強する手術)を受ける。
これで尿意がなくなるはずだと思っていたのに、術後また悪化。

年始に自分の状態をネットで探していて間質性膀胱炎という病気を初めて知る。

泌尿器科の担当ドクター(間質も診ている)に
「私は間質性膀胱炎ではないかと思う。当てはまる症状がたくさんある。」
と相談するもスルーされる。
いつも検査でカテーテルから500位まで入れていたし、痛みを訴えなかったためかもしれない。

H26/1/28京都のUクリニックで、膀胱鏡の結果、間質性膀胱炎確定。
子宮筋腫やバセドウ病、尿失禁手術の刺激を指摘される。
真っ赤な炎症、血管うじゃうじゃで点状出血もぽつぽつ。

ネットを調べているうちに同病の方が集まっている掲示板を知る。
そこで京都府立大、明治国際医療大学(旧明治鍼灸大学)で行われている仙骨部の鍼治療が、この病気にある程度効果がある、ということを知る。

掲示板の方が同じ病気で当院に来院している事を知り、同じ治療法で行って欲しい、ということで来院。

治療は週に一回。6日目にメールで報告をいただいた。

治療法:
S3後仙骨孔部にある中髎穴。2寸8番鍼(0.28ミリ×60ミリ)
左右交互に10分間の旋捻術。

2/19初診時 間質性膀胱炎症状スコア10 問題スコア16

問題スコアの16というのは、4つの質問のすべてに、「ひどく困っている」という状態で最高点である。

(6日後の報告の要約)
次の日の朝、膀胱や下腹部の激痛で目が覚める。
痛みは夕方にはだいぶよくなったが、痛みがなくなるまでには3日かかった。

痛みがなくなってくると同時に一回排尿量が増加して、排尿間隔も少しずつ空いてきた。
一番いい日で日中5回夜間なしまでに改善。尿量も平均300近くまでになった。そして、尿意も痛みも感じない時間ができてきた。
(こんな事、何ヶ月もなかった)

2回目2/27

(6日後の報告の要約)
治療後は治療当日までなくなっていた尿意亢進、膀胱痛はあったものの、前回ほど強い痛みは無かった。
それ以降は、とにかく尿意が薄れてきて不快感や痛みも減り、膀胱の事を忘れる時間が増えてきた。
一番良いときで3時間くらいなにも感じない時間がある。
治療の後になぜか一時的に悪化するようだが、次第に痛み、不快感、尿意を感じなくなる。

3回目3/5

(6日後の報告の要約)
実は治療の前々日(3/3)頃からやや不調(突然頻尿、尿意亢進、切迫感)だった。
治療翌日生理だった。治療当日は前日同様の症状が続き、特に恥骨と骨盤内が痛みは強かった。
治療翌日3/6、朝から生理が始まるが、この日は比較的落ち着き、排尿量も増えてきた。日中8回夜間なし。
生理二日目 違和感や痛みはほぼなくなった。一回排尿量も少しずつ増えた感じで日中7回夜間なし。切迫感も出なかった。

生理があったせいもあるが、症状がきつくなった日と半々くらいだった。

4回目3/12 

(6日後の報告の要約)
一日置きに良い日悪い日を繰り返している。
それからしばらくあまり感じなかった痛みが出てきた。
恥骨、膀胱、骨盤、陰部に常に痛みがある事が多かった。
それから腰痛特に左側が酷くなった。
(調子が良い日に食事をほんの少しだけ緩めた事や、9ヶ月の娘の夜泣きが酷く、寝不足である事、花粉症が酷く薬を飲んでも抑えきれていない事も、もしかしたら痛みや排尿量減少の原因の一つかもしれない。)

(注) 4回目の治療時、骨膜に当たった鍼の刺激が若干痛かったようで、それが尾を引いて腰痛がでていたかもしれない。
5回目以降は、鍼を骨膜まで当てない程度にして、刺激も少し軽めにした。

5回目3/19 

(6日後の報告の要約)
治療当日から3日間は良くなく、それ以降は比較的安定した尿量になり平均が250近くになる。回数は日中6回~8回夜間0~1回とまずまずだった。排卵時期だったらしく、膀胱のチリチリとした痛みや尿意切迫感などが出てきた。

3/25に京都で簡易拡張。
「膀胱鏡をすると子宮筋腫が小さいながらも膀胱内に突き出しているため、排卵時期や生理前に症状が強く出るそうで、産後に症状が強くなったのも、その為だ」と言われた。

6回目3/26 

(6日後の報告の要約)
3/25日に京都のUクリニックで日帰り簡易水圧拡張。
その後、膀胱の痛みと刺激感があり、なかなか溜められないので頻尿だったが、26日に鍼治療した直後から排尿量が一気に増加した。
(400が続いて出た)。

溜まると痛みや刺激感はまだあるが、何も感じない時間もある。平均は300を超えている。全体では200以下の排尿は一度もなく、強い切迫感もない。

簡易水圧拡張だけでなく、鍼治療直後からかなり調子がよくなったので、簡易拡張の効果だけでなく鍼の効果を実感できた。

7回目4/2 

(6日後の報告の要約)
治療後、我慢してみると400以上排尿が2回あった。
鍼治療後は排尿量が確実に増加する。
ただ、ずっとは続かないみたい。

3日4日と切迫感が強く、ためられなくなり、平均260と少し排尿量が減ったが4日夜から生理が始まり、やはり生理前には症状が強く出ると思った。

膀胱訓練をしている。平均は300くらいまで増えた。
限界まで我慢で470までためる事もできた。
ただ、我慢している時はやはり膀胱刺激感や尿意が強い。
痛みはほぼない。
そして、今週は日中5~6回夜間なしできている。
夜間尿意で起きる事は一度もなかった。
これは自分にとってかなり大きな事で、とても嬉しい。

8回目4/9

(6日後の報告の要約)

治療した日前後からお腹の調子が悪く、排尿量も減ってしまっていたが、お腹がよくなると共にだんだん排尿量も増えてた。

一週間を通していい時が多く、尿意を感じない時間もあり、日中5回夜間なし、平均は220~320とバラつきはありますが、特に酷い症状もなく、比較的安定していす。
少し調子が悪い時は、日中6回夜間1回の日が一日だけだった。

9回目4/16

(6日後の報告の要約)

この一週間はかなり安定していた。
排卵日前後は悪化する事が多かったが、今回はさほど気にならなかった。
治療後の排尿量増加もあったが、今日あたりでも一日一回は緩やかな尿意で400以上溜める事ができている。

一日だけ、尿の出があまりよくなく、なかなか溜められなかったり、痛みが出た日もあったが、日中6回夜間1回だった。(食べ物の問題なのか何が悪化させているのか分からない)
ただ、この日だけは痛みや出が悪かったために大量の水分を摂取したせいか、夜間に520もあった。

溜まってくるとまだ膀胱刺激感はあるが、それはかなり溜まってからの症状。
その他の日はかなりいい状態だった!

10回目 4/23 

(6日後の報告の要約)

先週まで比較的安定していたが、ここ4日は膀胱刺激感と切迫感がかなり強く、昼間に尿の出が悪い日もあり夜間排尿が3日続いた。、日中6回くらいで回数としては多くないが、夜間1回は多尿でその割に平均しても230前後で日中の排尿量が低い。

原因としては、
少しピッタリめのデニムなどを履いていたために腰回りが締め付けられた事(以前からたまに同じような事があった)、
ファストフードを食べた事(違うかもしれません)、
少し早いが生理前(産後11ヶ月経ち、出産前は25日周期と早目の生理周期だったのが戻ってきたかもしれない)
ストレス(一週間ほど前から娘の身体中に突然蕁麻疹が出てしまい、食事や薬などの不安や疲れ)などが考えられます。

以上はご本人の報告の要約。

とりあえず10回は他の治療は一切加えずに仙骨の鍼だけで治療してみた。

初回の後、下腹部の激痛があったが、痛みの軽減と共に、症状の方も軽くなっていった。
掲示板を見て、あらかじめ治療後はこういう反応が起こる、ということを理解していただいていたので良かったが、そうでないと継続の治療を断念されていたかもしれない。

2回目以降、直後の反応は回を重ねるごとに少しづつ軽くなってる。
鍼治療の効果は確かに感じられ、徐々に症状の改善が見られていったが、やや効果に不安定な感じがあった。
花粉症の時期、気温変化の激しい時期という要素もあり、子育ての疲れ等もあったようだ。

5回目の治療の後、簡易拡張を行い、その翌日に6回目の治療。
簡易拡張の後、下腹部不快感が有ったが、それは鍼治療の後軽減した。
簡易拡張後の方が鍼治療直後の反応もほとんど無くなり、鍼の効果も安定的になっている。

本人のトータルな感覚で言うと、治療始める前を10とすると、簡易拡張やる前で5くらい、10回終わった時点で3くらい。
10回目の後、数日は良かったようだが、その後少し悪かったようだ。
(波があるので仕方ないかもしれない。)

痛み系に関しては治療前を10としたら1~2位に改善している。
間質性膀胱炎症状スコア6  問題スコア11

仙骨部の鍼は少数穴・強刺激の治療法なので、効果の切れ味がシャープで、確かに一定の効果はある。
鍼の経験がない場合は緊張もあり、治療自体も若干痛い。
そして1~3日くらい一時的な反応も出る場合が多い。ただし、慣れれば治療中の痛みも軽減するし、治療後の痛みの憎悪も通常は回を重ねるごとに軽減するようだ。

また、間質性膀胱炎はアレルギーやホルモンバランス、オケツ等が複雑に絡んでいるようで、仙骨部の鍼だけではカバーしきれない部分があり効果がやや不安定な傾向がある。
さらに今回のケースの場合、バセドー病、子宮下垂、子宮筋腫、尿失禁手術の影響も考えられる。

本件は継続治療中。

追記  

その後、仙骨の鍼以外に少し治療をプラスして週1で5回治療するが、波がありあまり芳しくなかった。
検査したところバセドー病の方が悪化していると言うことで、5/20からバセドー病の治療開始する。
振り返れば、10回目終わった頃からやや不調気味だったので、その頃からバセドー病の影響があったようだ。

6月、7月と2週に1回の治療、鍼は少し太めにして10番鍼(0.35ミリ×60ミリ)使用。
治療後後仙骨と、三陰交 三里に円皮針。
この頃から比較的安定的になる。
6/20頃に京都に行って薬を注入したがそれほど効いた感じはしなかった。

19回目来院時(7/23)
痛み系はほとんど無く、よほどたまったときにピリットくるくらいで数値としたら1くらい。
尿意切迫感、尿意亢進(尿が少しでも溜まるとすぐトイレに行きたくなってしまう)も生理・排卵のそれぞれ前後3日くらいは不調になるが、それ以外の時月は割と安定している。
尿意亢進の方が強い。切迫感は少ない。
だから、大体月の3分の2くらいは割と安定して過ごせる
調子良いときは400から500くらいためられる。

少し様子を見たいという、ご本人の希望で19回目で一旦終了。

横浜市戸塚鍼灸院

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コメント

3年前から間質性膀胱炎を患っている50代主婦です。
治療経過を大変興味深く拝見しました!!

以前、明治鍼灸大学の鍼治療で症状がほぼ消失した方のブログや掲示板も
見ていましたが、関西までは通えないと諦めていました。
が、今回この記事を拝見(発見)して、私も近所の鍼灸院に同様の治療法を
お願いしてみようと思います。
貴鍼灸院で治療中の方のその後も改善していますように。。。


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