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腸腰筋

大腰筋と腸骨筋と合わせて腸腰筋と呼ばれる

大腰筋は

上方では浅頭と深頭を有し、
浅頭はT12からL4の椎体の側面と肋骨突起から起始し
深頭はすべて腰椎の肋骨突起より起始する。

下方では両頭は合して下外側方に行き(両頭)間に腰神経叢が存在する)、筋裂孔を経て、その腱は大腿骨の小転子に付着する。

腸骨筋の付着部(起始)は

上方では腸骨の上縁並びに腸骨窩内面の上三分の二から起こり、
下方では大部分が大腰筋の内側で腱と連結し、さらに一部の筋繊維は筋裂孔を経て直接小転子の近くに付着する。

小腰筋
起始 第12胸椎と第1腰椎の椎体の外側面。
停止 腸骨筋膜から腸恥隆起
小腰筋は個人差があり、40~50%の割合で両側の欠如がある。
存在している場合は大腰筋の前部にある。

神経支配
大腰筋:腰神経叢の筋肉枝((T12)L(1)L2~L3(4))
腸骨筋:腰神経叢の筋肉枝(L2~L4)
小腰筋:腰神経叢の筋肉枝((T12)L(1)L2~L3(4))

・大腰筋は   ,腰方形筋、横隔膜、腸骨筋、小腰筋、最長筋、腸肋筋と筋連結がある。
・腸骨筋は 大腰筋、縫工筋、大腿直筋、横隔膜、腸骨筋、小腰筋、最長筋、腸肋筋と筋連結がある。
・小腰筋は大腰筋、横隔膜と筋連結がある。

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腸骨筋と大腰筋の主な作用
・大腿を股関節の位置で屈曲させる。
・正常な前彎を保って起立するとき腰椎の伸展を補助する。
(・腰の前彎を強める)
・直立姿勢の維持に重要な役割。
・大腿の外旋にわずかに寄与。
・座っているときも立っているときも活性化している。
・シットアップの時に強く活性化する。(30度~60度)

★大腰筋は上の方が背骨に付き、下の方は骨盤を通って大腿骨の上部に付着している。上半身と下半身を繋いでいる筋肉は大腰筋だけ。

★猿にも大腰筋はあるが、人間とは付着部位が異なっている。
大腰筋の付着部位の変化に伴って人間が直立できるようになった。

★優秀なアスリートは例外なく大腰筋が発達している。

★高齢者では大腰筋の発達の弱い人は腰痛持ちが多い。

股関節での大体の屈曲における腸腰筋の協力筋には
大腿直筋、大腿筋膜張筋、縫工筋、薄筋及び長内転筋、短内転筋、大内転筋中間部の3つの内転筋に補助された恥骨筋がある。

下は新しい人体解剖学アトラスより。
(メディカルサイエンスインターナョナル)

大腿神経が大腰筋と腸骨筋の間を走っている。
鼠径部においては大腿動脈の外側に大腰筋、大腿神経、腸腰筋の順になる。

(ちなみに閉鎖神経、外側大腿皮神経、大腿神経は大腰筋内を走っている。)

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拮抗筋は大殿筋、ハムストリング筋、及び大内転筋の後部である。

大腰筋はいわゆるヒレ肉の部分。
近年ではコアトレーニングの主役になっている感がある。

Tpの世界では、「隠れたいたずら者」と評され、腰痛や股間節周囲の痛みの隠れた原因になっているのだがつい見過ごされてしまう。
鼠径部あたりは女性の患者さんだと触りにくいと言うこともあるだろう。

腸腰筋におけるTrpsの関連痛

腰椎に沿った同側性の顕著な垂直パターンを示す。
これは下方では仙腸関節の領域に広がりそして仙骨及び近位の臀部の内側に波及することもある。

関連痛パターンには通常鼠径部及び同側の大腿の上部前内側面も含まれる。

両側の腸腰筋に活性のTrpsがあるときは下背部を走るような痛みを感じることがある。
痛みは患者が起立すると強くなるが横臥しているときは軽いしつこい背部痛に留まることがある。

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最も楽な横臥姿勢は胎児姿勢に近い横むき、又は腰と膝を屈曲させた仰臥姿勢である。

患者は椅子に深く座った状態から立ちあがることが困難となるかもしれず、また起き上がり腹筋運動が困難となる。

重篤な場合は両手両膝で這うための可動性が弱まるだろう。

過敏な腰筋Trpsを持つ便秘している患者は、Trpsを圧迫する固い大便の塊の通過によって関連痛を生じることがある。

大腰筋または腸骨筋Trpsの腹部触診による圧迫は主として背部に放散される痛みを引き起こす。

小腰筋症候群として虫垂炎のような症状が15-17才の女性の右側の腹部に見られることがある。

下背部痛は腰方形筋、腹直筋の最下部、、胸最長筋、回旋筋、大殿筋、中殿筋におけるTrpsからも放散されるので腸腰筋のTrpsからの関連痛とまぎらわしい。

患者が下背部に水平に広がる痛みを指摘しているときは、両側の腰方形筋、腹直筋の最下部からの関連痛である場合が多い。
腸腰筋と腰方形筋とは一緒に障害を受けることが多い。
これらの腹直筋Trpsはしばしば腸腰筋のTrpsを合併している。

大腿と鼠径部の痛みも、大腿筋膜張筋、恥骨筋、中間広筋、長短内転筋、または大内転筋の遠位部におけるTrpsが起こしている場合がある。

小転子の付着部付近のTrpsの触診は背部と大腿の前方部との両方に痛みを放散することがある。

体重負荷的な活動によって悪化し、横臥によって緩和される。
股間節を屈曲させると症状はよりよく緩和される。

・通常は同じ機能単位中の他諸筋のTrpsによって二次的に活性化される。

・股間節を鋭く屈曲して長時間座ることから生じることもある。

眠るときに胎児姿勢で寝ると腸腰筋の潜在的Trpsを活性化することがある。
患者は朝、起床時にこの関連痛に気づいたと報告する事がある。

胸腰部位(T10)-L1)或いは腰仙連結の機能障害と関連づけられることがある。

股間節の完全な伸展を妨げる大腿直筋の緊張性は腸腰筋におけるTrpsを活性化させることがある。
大腿直筋がTrpsの為に短縮すると腸腰筋も短縮した状態を維持しTrpsを発生しやすくなる。

腸腰筋の活性又は潜在的Trpsを持つ患者は前屈みの姿勢で歩き、骨盤が前傾し、腰椎は過剰前彎症を呈することがある。

Trpsの検査箇所

・小転子上の大腿三角の外側縁上。

筋のこの部分におけるTrpsからの関連痛は通常では下背部及び大腿の前内側面から鼠径部にかけて放散される。大腿神経はこの筋の内側にあるために大腿を外転させておけば触診時に神経を圧迫させることはない。

・上前腸骨棘の内方深部の腸骨縁上。

この部位の関連痛は大腿よりも下背部及び仙腸関節の部位に放散されやすい。

・下腹部腹直筋外縁

過敏性がある場合は通常、臍の高さかやや低いところに生じる。大腰筋に潜在活性Trpsがあるときはごく小さな圧迫で大きな痛みが生じることがある。

この部分からの関連痛は主として下背部に放散される。

反対側の筋も治療する必要がある場合が多い。

腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経、外側大腿皮神経、大腿神経はすべて大腰筋の外側縁から現れている。

閉鎖神経は大腰筋の内側縁から現れている。

陰部大腿神経は筋腹の中心を通って前方に走り大腰筋の前面から現れる。

これらの知覚性の腰仙骨神経の分布領域での不可解な痛みや知覚障害を訴える場合は、この部位での圧迫・絞扼も充分に考えられる。

以上 主にTrpマニュアルより。

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