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梨状筋症候群とトリガーポイント

梨状筋のトリガーポイントから起こる関連痛の症状と
梨状筋の圧迫・絞扼による神経症状は混同されやすいです。

筋肉は硬結が出来ると短縮して、筋繊維が太くなってきますから、トリガーポイントとしての関連痛以外に
絞扼性神経障害としての梨状筋症症候群として、坐骨神経痛のような症状を出すこともあります。

梨状筋の筋肉の硬結、トリガーポイントがあると、必ず梨状筋症候群を引き起こすというわけではありません。基本的には分けて考えた方が良いと思います。

梨状筋におけるトリガーポイントの関連痛は, まず仙腸関節部の痛み、
殿部痛、下背部の痛み、後大腿部の痛みがその主なものです。
まれに鼠径部の方に関連痛が出ることもあります

隣接する小殿筋のトリガーポイントからの関連痛は下肢の方にも痛みが来ますが梨状筋の場合はせいぜい太ももくらいです。
Rijyoukintoriga_2

 

 

(上の図はトリガーポイントマニュアルより)

梨状筋を傷める状況としては以下のようなケースが考えられます。

転びそうになって踏ん張った時、両膝を大きく開いて踏ん張って重い物を持ち上げたりした時。
重い物を持ったまま股関節や腰をねじった時、片側に重心をかけているときに、ねじった動きをした時。
(急にきた場合は、まあ、ギックリ尻ですね・・・・)

スポーツだと、ランニングのように股関節の屈伸を繰り返す運動.バスケットボール、テニス、サッカーの様に急に股関節をねじったりする運動も梨状筋症候を起こし易くなります。
また、バレーダンサーや長時間の車の運転をする際にも傷めやすいことが知られています。

梨状筋の問題は3つの要素からなっています。

1.梨状筋のトリガーポイントからの関連痛としての痛み。

2.梨状筋の圧迫・絞扼による症状。

3.仙腸関節の機能障害から来るもの。

これらが単独、あるいは絡み合って起こるので問題を複雑にしています。

梨状筋のトリガーポイントからくる痛みは、
座って長時間腰を曲げていることによっても悪化することがあります。
過敏な場合は横になって休んでいても痛みが軽減しない事もあります。

梨状筋症候群の患者は6:1で女性の方が男性より多い傾向。
腱鞘炎が女性に多いようにホルモンの影響が考えられます。

梨状筋による坐骨神経の圧迫・絞扼の症状として、下腿や足の痛み、知覚異常を引き起こすこともあります。
下枝がよくツルということも梨状筋の下縁から出る坐骨神経周囲の圧迫絞扼から起こることがあります。

梨状筋による陰部神経の圧迫・絞扼により会陰部やそけい部の痛みや異常感を訴える場合もあります。

梨状筋が坐骨神経を圧迫するケースは以下のような何種類かのパターンがあります。
中には梨状筋の筋肉中を坐骨神経が貫通するケースも見られるようです。

Rijyoukinappaku_2

 

(上の図はトリガーポイントマニュアルより)

座骨神経のうち総腓骨神経が圧迫される場合は、足首の背屈がやや弱くなり
軽度の下垂足内反尖足が見られる場合もあります。

梨状筋症候群を持つ患者は、座らせると体をよじったり、しばしば座り方を変えたりする傾向があります。

仰臥位で患者を寝かせたとき患者の足は外旋位の傾向が見られます。
これは梨状筋あるいはその他の股関節外旋筋群の緊張短縮が原因です。

梨状筋症候群の誘発テストとしては以下のようなテストがあります。
(梨状筋のトリガーポイントのみの場合は誘発されるとは限りません。)

Kボンネット・テスト
股関節と膝関節を屈曲させ、次に股関節の内転を加えて患側の足関節を健側下肢の外側まで移動させ、更に膝関節部を押さえて健側方向に圧迫する手技。

 

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(上の図は診察法と治療法2より)

 

その他のテストとして
Freiberg test(フレイバーグテスト)
仰臥位とし股関節を90度から100度くらいに屈曲し、90度膝を屈曲し大腿骨を内旋する。
注:股関節症などとの鑑別が大切。

Pace外転検査テスト
仰臥位とし膝関節を約90度に屈曲した膝立ての姿勢にし、患者の両膝を外側から両手で押さえる。その手に抵抗して膝を外側に開くように指示する。
注:仙腸関節のテストでもある。梨状筋と仙腸関節では痛む場所がやや異なるので注意を払う事。

さて、下の図はトリガーポイントマニュアルで紹介されている梨状筋のセルフストレッチです。
Rijyousinten

 

Kボンネットテストとほぼ同じで、梨状筋を伸展させているポーズです。

梨状筋症候群で圧迫・絞扼がある場合はこのポーズで症状が再現、誘発されます。

一方でトリガーポイントの治療法としては筋肉をストレッチさせる自己治療法となるわけです。

梨状筋は60°以上の股間節屈曲では内旋の働きになるのでストレッチの方向は注意が必要です。

ちなみにカイロプラクティックのSOTというテクニックで、梨状筋症候群の圧迫・絞扼を解除するテクニックとしてSOTOというテクニックがあります。

これは梨状筋を他動的に外転外旋させて、梨状筋を縮める、たるませるテクニックになります。
要はストレッチの反対です。上の図と反対の事を他動的に行うわけです。

似たところでは操体法でもお尻の梨状筋あたりの圧痛を、股関節を外旋させて取ったりしますから、SOTのSOTOというテクニックは操体法的な手技ともいえます。

ちなみにローガンベーシックというテクニックで行うノッチコンタクトも梨状筋の緊張を弛めて仙骨の前方偏位を矯正する為のテクニックということになります。

トリガーポイントからの関連痛なのか?、梨状筋症候群で圧迫・絞扼からくる症状なのか?

狭い意味での単独の本当の絞扼症状はそれほどは多くないと思います。
多くは椎間板ヘルニアや仙腸関節の機能障害と合併しているものが多いと思います。

 

横浜市戸塚鍼灸院

 

 

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コメント

じぇりーさん、こんにちは
元々、仙骨後頭骨テクニック(略してSOT)というテクニックの中のものですので、お近くのカイロプラクターに相談されればきっと良い先生が見つかると思います。

こんにちは
私は現在アラスカに住んでおりまして、梨状筋症候群でこの半年苦しんております つД`)

SOTOのテクニックが記事を読んだところ結構効きそうな感じがいたしました (*´∀`*)

アラスカかアメリカでこのSOTOを上手に行える治療院はありませんでしょうか?

よろしくお願い致します

69歳の男性です。
脊椎狭窄症と診断されました。1ー2番間、3-4番間、11-12番間に軽い狭窄があります。
しかし、私の感覚では痺れや痛みもなく歩くと痛くなります。痛くなり始めからお尻を揉みながら歩くと痛みが消えることがあります。したがって筋肉とか腱が原因ではとか考えます。歩いて痛くなる症状は神経がづーんと
重く痛み立ち止まります。
発症は今年の1月からで当初は運動のし過ぎかと思っていました。(左脚が義足なのでそのせいかも)。
整形外科で血行改善の薬をのんでいますが余り効果なく、電気、はり、整体、マッサージも効果ありません。
宜しくお願いいたします。

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