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陰包(いんぽう)

陰包(いんぽう)は太もも内側にある足厥陰肝経のツボ。内転筋管あたりで伏在神経の絞扼障害が起きている場合にアプローチする最も近いところのツボになる。

包は胞(子宮や膀胱)を指す。

部位

甲乙経 膝上四寸に在り。股内廉両筋の間

標準経穴部位  [大腿部内側で、縫工筋と薄筋の間、膝蓋骨底の上4寸。]

(昔は大腿骨内側上顆の上四寸だった。膝を曲げて取穴すると、膝蓋骨底の上4寸と大腿骨内側上顆の上四寸ではだいぶ違ってくる)

(この場合は、恥骨外端の上縁から大腿骨内側上顆の上縁までの長さを1尺8寸とする骨度法分寸による)。

下はWHO/WPRO標準経穴部位 医道の日本社より

Innpou

便法としては 直立して曲泉の直上に取る。曲泉から縫工筋薄筋の間を指を滑らせて上がっていき指の止まるところ。

包は胞(子宮や膀胱)を指す事から、中医学の文献では泌尿生殖器や婦人科疾患に用いられることが多い。

中医学での一般的な主治症としては

腰が痛んで小腹(下腹部)まで引痛するもの、遺尿、失精、小便難、月経不順,

不妊症、不感症など子宮精室の症を治療する。

調経血、理下焦。

甲乙経、外台秘要、明堂経 銅人では「足厥陰別走」とあり、おそらく胆経への別脈が走っているのかも。

下の沢田流の鍼灸読本では陰包の部位を縫工筋上に取っていて、標準的な取穴より内転筋管に近いところになる。鍼灸治療基礎学でもずばり、主治症として膝疾患と書いてある。絞扼性神経障害の概念がまだ無い時代に臨床でキチンと効果を把握してあるとはさすが。

Innpu3

太もも内側はツボも少なくて、陰包はこの部位でよく用いられる代表的なツボといえる。

実は陰包の変動穴と考えても良いのだが、近くには沢田流五里、晴眼、小川点など面白い使い方をするツボがある。

晴眼穴(命名は多分操体の橋本敬三先生)

以下は操体法の橋本先生の「鍼灸による即効療法」より

「大腿内側下3分の1のところで、内側股筋の外縁、内転筋管の部位に最大圧痛点がある。ここに一鍼打つと眼痛(眼の奥が痛い)とかゴロゴロする異物感とかは瞬時にとれる」

近くにある沢田流五里も眼疾患に効果のあるツボとして知られている。

   以下は鍼灸治療基礎学より

 部位 大腿内側中央部の動脈中に取る。

 主治 緑内障、網膜炎、動脈硬化症

小川点は小川晴通先生が鞭打ち症で使っているツボ。
確か頸の前後の(屈曲伸展)動作で痛みがある時に用いていたようだ。

正確な取穴法は覚えてないが、だいたい陰包か五里に近いところ。

いわゆるスジの病、眼の病は肝に属している。肝実を治療するツボと考えて良いでしょう。

横浜市戸塚鍼灸院

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