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扁桃体

側頭葉の内側で、記憶を司る海馬の尖端に位置する。アーモンド(扁桃)の形に似ているので扁桃体、あるいは扁桃複合体と呼ばれる。

扁桃体は喜怒哀楽の中枢センターと考えられている。
様々な感覚情報や体験の感覚は、大脳皮質から扁桃体に伝わり、快・不快、好き嫌い、怒り、恐怖、などの喜怒哀楽が判断され、それらは隣の海馬に伝達される。

扁桃体は記憶固定の調整に重要な役割を果たしていて、
良い面でも悪い面でも強烈な情動と共に伝達された記憶は海馬に強力に固定されることになる。ネガティブな面ではトラウマ、恐怖条件付け、PTSDということになる。

さらに扁桃体は認知能力、社会性・精神障害とも関連が深いことが分かってきている。
・扁桃体は視覚や聴覚・など多くの感覚種にわたる連合学習に特に重要である。
・「海馬・扁桃体の容積が少ない高齢者は認知症の発症リスクが高い」
といわれている。
・高齢者の側頭葉てんかんは扁桃体、海馬の領域が関連が深い。

・ うつ病、不安障害やPTSDといった精神疾患においては、扁桃体の活動が過剰になっている。
・統合失調症や自閉症の場合は扁桃体の活動の低下と関連している。

 

扁桃体は均一な組織ではなく、複数の神経核を含んでいて大脳基底核の一部とも考えられている。情動反応の調整に関与する感覚性連合野とそれぞれ特異的に結びついている。
扁桃体は視床下部、の規制・調整役だけでは無く、他の大脳辺縁系、大脳基底核、及び新皮質連合系の調整役も果たしている。

・基底外側複合体、(外側核、基底核、副基底核)は最も大きな部分を占め、外から入ってくる刺激に対する情動的な意義を付けている。
基底外側核は、脳幹部から多くのドーパミン繊維の支配を受ける前脳の領域(嗅結節・側坐核・前辺縁・下辺縁・島前頭皮質)に繊維を送っている。

・中心核は主に脳幹から内臓感覚の入力を受け、視床下部や脳幹にある自律神経核に出力する。中心核は、硬直 (freezing) や呼吸と脈拍の増加、ストレスホルモンの放出などの多くの恐怖行動の産生に関係している。
モルヒネの断薬時などの不快な情動を伴った禁断症状は扁桃体中心核を中心とした神経ネットワークが働いている。

・皮質内側核は主に嗅球からから嗅覚情報を受け取り、その情報を処理して再び嗅覚を司る部位に送り返している。

扁桃体から、
視床下部に対しては交感神経系の重要な活性化信号を、
視床網様体核に対しては反射亢進の信号を、
三叉神経と顔面神経には恐怖の表情表現の信号を、
腹側被蓋野、青斑核と外背側被蓋核にはドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの放出の信号が出されている。

眼窩前皮質は扁桃体基底外側核群と相互に密接な繊維連絡がある。眼窩前頭皮質は上位中枢として扁桃体を中心とする情動の神経回路を制御すると考えられている。

扁桃体は恐怖だけではなく快感。快楽の情動にも深く関与している。
気持ちいいだけではなく、嬉しい、楽しい、ワクワク等のポジティブな情動の際にも扁桃体は活発になる。やる気や報酬系の源の部位である「側坐核」とも密接に繋がり、やる気や快感の元であるドーパミンの分泌を促進する。

扁桃体は脳の警報装置の役目果たしていて、脅威にさらされたとき、生き残る上で役にたつ精神状態を作り出す。扁桃体のある部分を刺激すると、典型的な恐怖反応、つまりパニックになって逃げ出したい感情が生まれる。別の部分を刺激すると「ふんわりした暖かい感じ」になってなれなれしい行動が見られる。さらに怒りが噴出する第3の部分もある。

扁桃体が活発になるということは、やや交感神経が活発になる、とも言えそうです。

井穴刺絡の浅見先生は「H5F5で扁桃体が活動的になる」というようにおっしゃってます。

扁桃体は部位的にも側頭部で手足少陽経(H5F5)の流注部位になります。

横浜市戸塚鍼灸院

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