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米軍の耳鍼療法・戦場鍼を考察する NHK 東洋医学 

テレビで鍼灸の事が久しぶりに大きく特集されました。

戸塚鍼灸院でも既に30年位前から、耳鍼を取り入れて頻繁に使っています。。

一番関心があったのは

「米軍が兵士達のPTSDの治療で耳鍼を取り入れている」
という部分です。

米軍が使っている耳鍼のシステムのことを戦場鍼(Battle Field Acupuncture)
略して BFAとも言うそうです。

2015年頃に業界雑誌の記事でこの件を知って、関心は持っていました。

米軍の兵士達は過酷なストレスのかかる状況下で心因性の問題から来るいろいろな病気が大変に多いそうです。

最近は腰痛でも心因性の問題やストレスから来る腰痛が存在する、と言うことが
次第に認知されるようになってきています。

TVのモデルの男性の腰痛もPTSDの可能性のある腰痛と言うことだと思います。

以前、業界雑誌に掲載されていた記事を読み返しますと、米軍で用いているツボの
配穴は鎮痛に特化した共通の配穴のようです。

ですから、腰痛だけではなくて、膝の痛み、肩や首の痛みに関しても同じ配穴で行ってるのかもしれません。
(正確なところは不明ですが)
だとしたら非常に斬新です。

通常は、というかウチ(戸塚鍼灸院)の場合ですが、・・・・・

同じ腰痛でも急性期のギックリ腰の様な筋膜性の腰痛と、今回のモデルさんのような慢性的な、PTSDが関与している腰痛では、、配穴(ツボの使い方)が若干違えています。

また、膝痛と頚肩の痛みですと通常は使用するツボも異なります。

米軍のBFAは痛みに対して、全て共通の配穴で行っているとしたら、脳の痛みの
中枢に作用させて、どの部位の傷みでも最大公約数的に痛みを抑える、と言うことで、かなり面白い試みです。

ただ、やはり全部が全部、痛みが取れると言うことでは無いとは思いますが、激痛だったのが半分以下にでも緩和されれば、それは意義あることです。


今回、米軍で使っているポイントは以下です。(医道の日本 2015年11月号より)

 

Img_0763

 

BFAの一番のキモの部分、大事な事は、一番最初に「帯状回」のポイントを使っ
てストレスが多いときに活発になる扁桃体の活動を抑制させる、と言うことだと
思います。

昔、ラファエル・ノジェさんに耳鍼を習ったときは、前頭葉(前頭前野)のポイントをよく使っていたように記憶しています。

脳科学の進歩と、米軍ですから被験者が沢山いて症例が多く集積できるので、いろんな新しい方法が開発できたのでしょう。

「視床」は痛みの鎮痛ポイントとしてノジェ式でよく使うところです。

「オメガ第2点」は多分松果体ではないでしょうか。

以前は副腎かな?とこちらで書いていたのですが、ノジェのマップには

松果体1.2というポイントが似た場所にありますし、

オメガ第2点とありますから、そうなると松果体、と言う方が妥当ということになります。

これも「原点」(ゼロポイント)とは別の角度からの強壮作用・抗炎症作用の働きです。

「原点」はノジェのゼロポイントと言うところです。

耳の中心でもあり、人間の中心でもある、臍・太陽神経叢に相当するような部分です。
東洋医学的に言うと、丹田といっても良いかと想いますが、「後天の気・先天の気である腎と脾を補う」
と言うことになると思います。

このポイントを使うと言うことは、お臍に温灸をして、身体自身の強壮作用を高めるというようなイメージです。

BFAでは「原点」に関しては、独特の考え方の様です。

引用しますと
「耳が鍼の刺激に反応しない場合、耳介療法に用いる経穴を活性化させるスイッチの様な役割が有り、刺激を感知する機能を回復してくれる」(医道の日本2015年11月号)より
スイッチの役割なら、最初に使っても良いのでは??
とも思うのですが・・・・・・・

「神門」はノジェ式というよりは中国式の考えでしょう、鎮痛・鎮静のポイントです。

こうやってみていくと、東西融合の配穴、脳科学と東洋医学の融合のような配穴だと思います。
この治療法は鎮痛・鎮静に特化した大変優れた治療法です。

ただ、痛みの原因が取り除かれたわけではありませんので、
ある程度強い痛みが落ち着いたら原因部分の治療・ケアも必要だと思います。

原因の部分というと、根本的な姿勢や身体の使い方、筋肉のTP或いは東洋医学的な腎虚、気鬱みたいに色々と考えられます。(当院の場合はそのようにしています。)
7割~8割痛みが楽になったとしても、原因部分もしっかりとケアしないと、ぶり返したり、それ以上改善しない、と言うこともある、と思います。

帯状回のポイントあたりは実はウチでもトラウマのポイントとして、心因性の疾患、例えば神経性頻尿とかには割とよく使っています。

米軍で使っていた鍼はノジェ式のもので、下の写真ですが、輸入品なので、現在は日本で使っている人は、いても極めて少ないと思います。

 

Img_0767
(ラファエル・ノジェさんが30年前に日本でセミナーを行ったときに、代理店業者から購入したモノです。)
10回くらいは使いましたが、あまり使わなくなりました。

 

この鍼は
「埋めっぱなしにしておいて、1週間くらいで自然に取れる」という事なのですが、
太い鍼なので、衛生面で化膿とかする可能性もあるし、特に夏場はちょっとリスクがあるかな・・・・・
と言うことが、あまり使わなかった理由です。
ちょっと現物で比較してみます。
下が番組で使っていた、ノジェさんの耳鍼です。太さは記載されてないですが
左からノジェ式、うちで使っている鍼、0.14(太さ)×10ミリ(長さ)、一番右が0.16(太さ)×15ミリ(長さ)、です。
置き鍼として使うときはもっぱらセイリン パイオネックスの0.15×0.6ミリを使用しています。

 

Img_0819

 

下は置き鍼用のパイオネックス。

 

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戸塚鍼灸院でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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